こんにちは。今回は、都内の大学で麹菌の研究をしている私、リケコのリアルな1日をご紹介します。
「理系女子のラボ生活ってどんな感じ?」「実験ってどんなことしてるの?」「研究室って大変そう…?」
そんな疑問を持っている方に、少しでもラボの空気感や日常が伝われば嬉しいです🌿
☀ 朝 〜起床と登校まで〜
朝はできるだけ早起きしたいと思いつつ、前日夜1時から2時頃までゼミの発表準備や資料づくりで遅くなることも多く、起きるのは8時前後。
ラボには10時〜18時のコアタイムがあり、この間は基本的に在室が必須。だから正直、10時ギリギリにラボに着ければセーフという気持ちで過ごしてます(笑)
朝ごはんは余裕があるときは食べるけど、基本できるだけ寝ていたい派なので食べないことが多いですね。
🧫 昼 〜実験とちょこちょこ休憩〜
午前中は主に、昨日の続きの実験や、今日中に終わらせたい実験の下準備を進めます。 たとえば、昨日PCRでDNAを増幅したなら、今日はDNAの精製と確認、クローニングまでやってしまおう!といった感じです。
お昼は、実験のキリがいいタイミングで近くの学食やコンビニへ。同期と話しながら食べることもあるけれど、基本的にはみなそれぞれ手が空く時間が違うので、一人ごはんになるが多いです。
以前はお弁当を持って行っていたこともありますが、ずっとラボにこもっている生活だと、昼くらいは日の光を浴びたくて…。気分転換の意味も込めて、外に出るようにしています🌞
🔬 実験って実際どんなことしてるの?
私の研究では、糸状菌(麹菌)を使った遺伝子工学を行っています。 ざっくり言うと、特定の遺伝子の機能を調べるために、その遺伝子をノックアウト(削除)した変異株や何らかの修飾を施した変異株をつくって、その株と元の株を比較します。
この「変異株の作製」が上手く行かずうんうん唸っていることもあれば、作製できた株を使ってデータ測定をひたすらやっている時期もあります。私がラボに入った初期は、まず、変異株を作るためのプラスミドを大腸菌から取り出すところからすでに上手く行かず心が折れそうになっていました。
そう、一番単純と言ってもよい大腸菌のような細菌でも上手く行かなかったりするのに、麹菌は多核で真菌。形質転換に成功するまでには本当に時間がかかります。それでも、何回も試行を繰り返して、ようやく目的の変異株が得られたときの達成感は言葉にできません…!
🎢 ラボでの楽しい瞬間と、大変な瞬間
嬉しいのは、ずっとうまくいかなかった実験が、条件を少し変えるだけで突然成功する瞬間!研究室中に響き渡る声で「やったーー!!!」って叫んでびっくりされたこともあります(笑)。でもその時は、その後叫び声にびっくりして集まってきたみんなに成功したことを伝えたら、本当におめでとう!ってみんなで祝ってもらえました。
お互い取り組んでいる実験は違ってもやってることは把握してるその難しさも分かってる。だからこそ成功したときは自分のことのように喜んでもらえたりねぎらってもらえたりしたときは、本当に嬉しくなります。
でも、その瞬間の裏には、何十回もの失敗と、報われないような努力があるのも事実。
「理論上はうまくいくはずなのに、なんで…?」と悩み、教授や先輩に相談しても答えが出ず、一人で抱え込む夜もありました。
実験って、思っている以上にメンタルが問われる世界ではあります。
🌱 ラボ生活で気づいたこと
ラボでうまくやっていくには、勉強ができるだけじゃ足りないと痛感しています。
ラボって、実は「究極の小さな社会」なんです。
教授、先輩、同期、後輩…関係性がすごく大事。
実験ができても、いつもむすっとしていて会話のない人には、周囲もアドバイスをしづらいし、サポートも得にくい。
反対に、いつも「お疲れさまです」「今日の実験、うまくいきましたか?」と笑顔で声をかけてくれる人には、自然と協力したくなるもの。
結局、研究は一人でやる時間が多いけれど、人との関係があってこそ前に進めることも多いです。
だからこそ、私は「挨拶」「ちょっとした会話」「笑顔」を大切にしています。
🧪 おわりに|研究も人間関係も、ぜんぶ私の成長に
ラボ生活は、楽しいことも、大変なことも、孤独なことも、全部詰まっている。
だけど、そのひとつひとつの積み重ねが、きっと「未来の私」の土台になっていくんだと思います。
研究をしてる私も、友達と遊ぶ私も、休憩時間にぼけてる私も、全部ひっくるめて“私らしさ”。
そんな風にマイペースに思いながら今日もラボで麹菌と格闘しています🧫
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